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奈良の食材

大和丸なす

直径約10cmのまん丸で、艶やかな紫黒色。
へたには鋭い刺がある。

大和郡山市平和地区を中心に古くから生産されている「大和丸なす」。2012年現在、約4haで生産されている。直径約10cm、まん丸でへたに鋭い刺があるそのナスは、光沢があり、艶やかな紫黒色。
「大和丸なす」は幾種の丸なすの中から選抜を繰り返したものがもとになっている。通常のナスなら色がくすんでくるところ、そのナスは色がぼけずに艶やかに輝いていた。ナスは見栄えが第一ともいわれるため、その輝くナスの種を残して栽培するようになった。そうして生まれたのが「大和丸なす」だ。

肉質はしっかりしており、同時に柔らかな食感。光沢のある皮には張りがある。緻密で煮崩れしない肉質、油を吸い過ぎずべとつかないといった特徴から、煮物や天ぷらなどさまざまな調理法との相性もよい。高級食材として好評を得ており、大阪、京都や東京の料亭などで美食家をうならせている。

ビニールハウスでは2月に苗を植えることから栽培が始まり、3月末頃には出荷が始まる。ハウス栽培で一番大変なのは暑さとの闘い。虫が入らないように締め切ったままで、換気は換気扇でのみ行う。そのためハウス内は高温多湿となり、室温は40度を超えることも。そんな環境での作業は当然厳しいものとなる。出荷の日には、日の出とともに作業を開始。これは少しでも新鮮なものを早く届けるためだ。

収穫量については、一般的な夏秋ナスは1本から150個ほど採れるといわれているが、「大和丸なす」の場合は、1本から30個程度。収穫量は少ないが、これは裏を返せばそれだけ手間ひまがかかる貴重な奈良の伝統野菜のひとつであるということだ。

【生産地】
大和郡山市、奈良市 他

【旬のカレンダー】

4月〜10月
大和丸なす

大和丸なす

●保存方法

1つずつラップで巻いて冷蔵庫の野菜室に入れておくと、水分が飛ばず、色の艶が落ちない。

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